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*お家の

掃除をさっさと終わらせて、兼ねてより気になっていたすずめの戸締まりを観てきました\(^o^)

前夜祭の君の名は、天気の子の地上波放送ですずめの戸締まりの映像が流れてから、これは絶対観なくてはと思いまして。

 

すずめちゃんと謎の青年の関係が気になり過ぎて、ちゃんと確かめるまでは夜も寝られません!

 

 

 

ということで、映画館へ

例の如く、前情報入れずにまっさらな状態で行ったので、入場特典になかなかの厚さの設定画企画書本が付いて物凄く驚きました……

 

同人活動をしている身としては、結構な厚さの本配ってくださる新海誠監督の只者じゃない感が本当に凄いです。

こういうの大好きなので、後でじっくり読み込みます。

 

以下、映画本編のネタバレと夜兎の個人的な感想(好意的なものです)・考察があるため、これから観るよという方、他人の考察が好きじゃないよという方はUターンお願い致します!

ごめんなさいっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆映画全体について

 

作画は過去作からわかる通り細部まで美しく、特に風景や自然の表現がアニメーションならではの迫力と美麗さで描かれておりもはや何も言うまいといった感じでした。

今回はファンタジー強めで廃墟、廃遊園地など、創作心というかノスタルジーな気持ちをくすぐるような場所が多く登場して本当に素晴らしかったです\(^o^)

 

音響も、バトルシーンや扉の向こうの「全ての時がある場所」など、映画館で見るに相応しい迫力があって大変良かったです。

映画館で観て大正解でした。

 

 

様々なご意見があるかと思いますが、僕は「場所を悼む」というテーマで新海誠監督が東北大震災、津波被害を取り上げてこの作品を作ってくださったのが嬉しかったですし、内容、場所などしっかりと調べて考察した上で素晴らしい映画に落とし込んでくださったことが本当に凄いなぁと思いました。

今年観た作品の中で、一番心に残る映画となりました。

 

まさに今観たかった映画というか、エンターテイメントとしてのファンタジーや未来への希望を感じさせつつ、現実の仄暗い悍ましい部分、監督が本当に伝えたいことをしっかり混ぜ込んでいるところの匙加減が絶妙で、天才だなと思いました。

 

 

 

 

◆登場人物について

 

主人公のすずめちゃん。

まず、声が可愛い。ド好みでした。

草太さんのことを「草太さん」と呼ぶところも可愛い。本当に可愛い。

 

それから、彼女は幼少期に震災被害に遭い、かなり悲惨な経験をしているのですが、毎日を「ごく普通」に過ごしているというところが好印象でした。

僕の中で、竜とそばかすの姫と決定的に違うのがこの部分。

 

では、彼女が記憶喪失なのかというとそうでもなく……幼い記憶として潜在意識にはしっかりと残っているところが現実味があって凄く良かったです。

 

死ぬことが怖くないのかという問いに対し即座に「怖くない」と断言し、「死ぬことは偶然の出来事である」と言い切る死生観のドライさ、東北地方へ向かう最中、「此処ってこんなに綺麗な場所があったんだなぁ」という芹澤の言葉に「綺麗? 何処が?」と抑揚なく言い放つ場面など、明らかに震災の爪痕が残っている(本人には自覚がない)ところが闇が深くて良いですね。

 

そして最も好きな部分は、幼少期の彼女を救うのは、彼女自身であるというところです。

 

母親が死んでいることを漠然と理解しつつ幼過ぎて信じたくないと泣き叫ぶすずめちゃんに「あなたはちゃんと大きくなる。これから先も大丈夫なんだ」と諭したのが他の誰でもなく未来の自分であるところが凄い。

「全ての時がある場所」ってそういうことだったのかとわかった瞬間の納得感に心が震えました。

 

是非、これからの未来を草太さんとゆっくり幸せに過ごしてほしいです。

 

 

 

謎の旅人、草太さん。

声がとんでもないイケメン。

椅子になっても声がイケメン。凄い。

 

すずめちゃんのことを「すずめさん」って呼ぶ。超可愛い。

寝相が凄いところも可愛い。

大好きです。

 

今作のヒロインは草太さんだったんだなぁと思いつつ、椅子の姿ですずめちゃんと一緒に奇妙な旅をするところが、観ていて本当に楽しかったです。

 

ふたりの関係が恋愛感情というより、同じ危機を乗り越えた戦友、命懸けで自分を救ってくれた恩人といった距離感が大好きです。

エンドロール曲の歌詞とぴたりと重なって良いですね。

 

あと最後自分の上着を自然にすずめちゃんに着せてあげたり、別れ際に自然に抱き締めてあげるところがもう生来のイケメンなんだろうなと。

すずめちゃんとお幸せに。

 

 

 

草太さんの友人、芹澤さん。

見た目の柄の悪さと、友人思いで見ず知らずのすずめちゃんと環さんを乗せて東北まで車走らせてくれるトンデモ聖人のギャップにやられたのは僕だけではないはず。

 

険悪な空気の中、平然とけんかをやめてを流す空気絶対読まないマンなところがまた良い。

大好きです。

 

ネット評価欄の中で「芹澤が他人のために此処までしてくれるのは不自然」という書き込みがありましたが、芹澤とすずめちゃんの目的が「草太を探すこと」で一致していたのと、また教師免許取得試験に現れなかった草太さんにあれほど心を乱されていたことから、芹澤と草太さんがかなり仲の良い関係であることがわかります。

 

そして、これは僕が勝手に脳内補完しているだけなのですが、恐らく芹澤は兼ねてより草太さんが何かを隠している(本職のこと、異形の者が見えること)のを察していた、或いはそういった怪奇に関わったことがあったのではないでしょうか。

だから、今回の件に唯ならぬものを感じて、すずめちゃんに協力したのではと思っています。

 

シリアスな場面のふとした癒しというか、緩急をつけてくれた大切な登場人物です。

 

 

 

◆ダイジンは何をしたかったのか

 

トリックスターとして周りの人間を惑わせ、その場を掻き乱す猫の姿をした何か。

草太さんの話では「ミミズを封じるための要石としての役割を持つ神様」ということですが……

 

恐らく、草太さん宅の古文書を読み解くに、ダイジンは数百年単位で九州の地に留まり要石として氷漬けになっていたことになります。

そして、草太さんに対し「おまえはじゃま」と言い放ち要石の役割を彼に押し付ける辺り、ダイジンは草太さんの一族を快く思っていないようです。

 

このことから、もともとダイジンはミミズを封じる役割など如何でも良く、自分の思うまま自由に振る舞う神様だったのではないでしょうか。

しかし、草太さん一族がちょうどミミズを封じる際に、強い力を持つダイジンを無理矢理要石にして、ひと処に縛り付けてしまったのではないかと僕なりに考えました。

 

此処が、ダイジン(白猫)とサダイジン(黒猫)の違いなのかなぁと。

 

サダイジンは草太さん一族に使役された神様のため、彼らに協力的であり、自らミミズを封じる役割を演じようとしています。

(最後のバトルシーンで自発的にミミズに飛び掛かっていますし。)

 

一方、ダイジンは最後の最後までミミズを止める素振りはなく、「すずめちゃんのために」ミミズの出現場所を教え、「すずめちゃんのために」最後のバトルシーンで彼女を落下から救っています。

 

つまり、ダイジンはあくまで自分を要石から解き放ち「うちの子になる?」と言ってくれたすずめちゃんの優しさに対し「すずめはダイジンのことが好きで、ダイジンと一緒にいたいんだ」と思ったことが一連の出来事の行動理念になっている気がしました。

 

 

確かに、数百年単位で誰もいない廃墟に独りぼっちで氷漬けにされていたとすれば、他人から優しさを与えられ慣れていないはずですし、そんな中で出会ったすずめちゃんに対する「好き」を暴走させてしまうのは仕方がないというか……何だか考えるほど切なかったです。

 

草太さんに「おまえはじゃま」と言い、椅子に変えて要石の役割を押しつけたのは、草太さん一族に対する意趣返しと、自分を要石に戻してしまう邪魔な閉じ師を要石にしてしまえばミミズを封印でき、自分はすずめちゃんの「うちの子」になり幸せに暮らせる、と思ったからではないでしょうか。

神様がひとりの人間を認識し、名前まで覚えるなんてそうそうないことだと思うので(すずめちゃんは「すずめ」呼びなのに、他は「おまえ」呼び)余程すずめちゃんのことが好きだったのでしょう。

 

 

結果として、彼女に「あんたなんか嫌い! 二度と現れないで!」と言われてしまった時の痩せこけた子猫姿に戻りわけがわからないという表情を見せたダイジンは、「すずめはダイジンのことが好きで、ダイジンと一緒にいたいんだ」を念頭に行動しているため、すずめちゃんが草太さんを大切に思っていることがそもそも理解できなかったんですね。

 

トンデモ神様ではありましたが、最後に要石に戻る選択をした時でさえ「すずめちゃんのため」だったところが本当に悲しかったです。

 

 

 

◆全ての時がある場所

 

予告でお馴染みの、扉を潜った先にある幻想的な星空と果てしない草原が広がる場所。

隔世であり死んだ人のみが行ける場所……らしいです。

 

 

草太さんが言った「全ての時がある」の意味は最後にわかりますし、この物語の最重要ポイントでもあります。

此処がこのシナリオの凄いところ。

 

普通、こういうシナリオは時間的逆説が生じて回収困難になるはずなのですが、扉を潜れるのは特定の条件をクリアした人のみ(その人が潜ることのできる扉は世界にひとつだけ)であり、すずめちゃんがその特定の扉を幼少期に潜り自分と出会う確定した未来がある、という最初の場面があるために、最後の場面が矛盾なく可能となっているところが凄いなあと思いました……

 

よく考えたなそんなこと……天才か……

 

 

それから泣き叫ぶ幼少期のすずめちゃんを宥めるすずめちゃんの言葉が本当に温かくて、何も特別なことを言っているのではなく、今まで過ごした自分の日常や其処で出会った人々が今の自分を作っているのだという「当たり前」を教え、だからあなたは大丈夫、ちゃんと前に進めると言った彼女の説得力が本当に素敵でした。

 

こんな言葉を傷ついた相手に伝えてあげられる人間が、この世界には一体何人いるんだろって思いました。

相手にとって今一番必要な言葉を掛けてあげられる人って凄いですよね。

 

 

 

 

長々と書いてきましたが、素晴らしい作画、迫力のある音楽、登場人物達を彩る声、そしてしっかりとした背景のある脚本など、ひとつひとつの要素がぴたりとパズルのピースのように嵌って初めてこの作品が完成して、その作品をこうして観賞することができた幸運にとても感謝しています。

 

観て良かったし、何度も観に行きたいと思いました!(*´ω`*)

 

しばらくあれこれ自分なりに解釈したり、場面を思い返してみたりして、作品を楽しみたいです。

 

 

 

 

 

因みに、映画の興奮冷めやらぬまま、その足でマクドナルドに直行し、しっかりとハッピーセット注文してきましたよ٩( 'ω' )و

 

こういうコラボ商品があるの、楽しくて好き!

 

 

 

楽しいことは一気にやってくるもので、今夜は友人と久し振りにTRPGやります!

長くなりそうなので、そちらは次の記事に。